Impact HUB Tokyo

Founders' STORY

vol.3 Impact HUB Tokyoの“コミュニティ”とは?

2017.07.18
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集まる人々=インパクトを作り出すコミュニティ

Impact HUB Tokyoの開設から約4年が経ち、在籍するメンバー数は常に150〜200名程度で変動※しています。事業拡大や移転によって卒業したメンバーを含めると、コミュニティは約400名※へと拡大。そのすべてのメンバーが、オンライン・オフラインでつながっています。

ファウンダーは、「コワーキングの肝は集まる人々」だと断言します。開設当初より、運営方針は「People First, Space Later」(人が先、空間は後)。集まる人々の知識や経験がうまく融合し合えるように、様々なキュレーションが行われています。これらの「デザイン」こそが、Impact HUB Tokyoが提供出来る価値なのです。

コミュニティを活性化するホスティングチームの存在


Impact HUB Tokyoのコミュニティを語る上で欠かせないのが、ホスティングチームの存在です。コミュニティを有機的につなぐ触媒となり、常にコミュニティの“動き”を観察しながら空間に手を加えて最適化できるのは、常駐のホスティングチームがあるからです。

ファウンダーの2人を含めて、数人のチームで編成されているホスティングチームは、常に在籍するメンバーについて把握しています。各メンバーの事業内容や事業のステージ、動機や問題意識、ビジョンやニーズなど、きめ細かくキャッチアップし、メンバー同士の新しい出会いや、経験のシェアはもちろん、より効果的なコラボレーションを促進する触媒となっています。

ホスティングチームは、常に「いまコミュニティが求めているテーマ」を模索し、コミュニティのニーズに合わせて、イベントやミートアップを主催します。その頻度は、毎月数回。あるいは、メンバーが自ら主催するイベントやミートアップをより効果的なものにするために、企画や運営に関するアドバイスをしてくれます。たとえば、このような仕掛けによって、コミュニティが活性化され、メンバーが創出するインパクトがより効果的なものになっていくのです。

コミュニティの「多様性」こそ強み


Impact HUB Tokyoのコミュニティの特徴を表すキーワードとして、多様性は欠かせません。20%程度が非日本語圏のメンバーであり、25%程度が女性です。起業家もいれば、NPOの経営者やリーダー、戦略やマーケティングのコンサルタント、フリーランス、プログラマー、デザイナー、研究者、会社員など様々な業種の方々が出入りをしています。最近では、ロボティクスやIoTに取り組む「メイカー」や、ミュージシャンなどの「アーティスト」も加わりました。IT企業などの新規事業開発部門が、チームで利用しているケースもあります。

メンバーの現在の平均年齢は約36歳程度と、決して若いスタートアップばかり集まる場所でもありません。20代のスタートアップ集団もいれば、定年を迎え起業準備を始める人も。ファーストキャリアを終えた30代前半の世代が最も多く、それぞれの分野や業種では確立したキャリアや経験を持ちながら、他の分野や業種と繋がり学びたい、という意図でメンバーになっている人も多いようです。多様な年齢層と多様な経験が混ざることによって、コラボレーションも内実が伴ったものになっています。

日常の風景としての「事業成長」


Impact HUB Tokyoでよく見かける事業成長のシナリオとして、事業アイデアを持つ新規メンバーが、ホスティングチームの助けを借りて、Impact HUB Tokyo内のコミュニティの中で様々なネットワークとつながり、コラボレーションを実現するプロセスをみることができます。メンバーになってから3ヶ月から6ヶ月で、事業のスタートを切るために必要なリソースであるパートナー、事業アイデア、事業実施場所、資金などを見つけていく様子は、非常によくある光景です。

多くのメンバーが、Impact HUB Tokyoで「新しい企て」を起こしてから、次の事業ステージに移っていく期間は、平均して18か月ほど。それは短いとも、長いとも言える期間ですが、それだけ新しい事業がまわり、流動的にコミュニティが入れ替わっていく、生き生きとしたコミュニティである証ともいえます。その後、徐々に事業に関わる人数が増えていき、オフィスを構えるためにImpact HUB Tokyoを卒業していくチームもあれば、形態を変えてコミュニティに残っていく人たちもいます。

また、こういった事業成長に、Impact HUB Tokyoの運営チームによる各種のアクセラレータープログラム(http://www.team360.impacthub.tokyo/)も一役買っています。プログラムには、新規創業だけでなく、すでに事業をまわしているメンバーが、改めて事業価値を見直すために参加する場合もあります。このようにコミュニティ全体が、事業の立ち上げや推進の当事者であることが、コミュニティの特徴であり、事業成長が促進される秘訣のひとつといえるでしょう。

様々なロールモデルから“互いに学び合う”カルチャー


Impact HUB Tokyo には、必ずしもIPO・上場や事業成長だけを目指すスタートアップばかりではありません。自身のワークライフバランスを考えたり、サービスや商品のためにコミュニティを作ることに興味があるメンバーも多く、それぞれの関心によって、事業成長の過程は異なります。

Impact HUB Tokyoは、初期のスタートアップによくありがちな「どれだけ儲けたか」「どれだけ資金調達できたか」ばかりにフォーカスすることなく、事業が「本当に生み出す価値」について語り合い、実践の助けになるように、工夫されています。メンバーの中に様々なタイプの起業スタイルが混在していることは、自分らしい事業の作り方を模索する人には、多くの学びを得られるでしょう。

メンバーの中には、Impact HUB Tokyoとは違う場所にオフィスを構えながら、Impact HUB Tokyoのコミュニティと学び合える機会を得るために、メンバーになっている人たちもいます。単なる“仕事場”以上の価値を使いこなすことで、自身の活動の幅を拡げることも、より効果的な事業推進をも可能になるのが、Impact HUB Tokyoなのです。

※2017年6月末現在。

(取材・構成:石川孔明)