Impact HUB Tokyo

MEMBERS2016.06.22

【メンバー活躍中】500Startups Japan投資第1号「Spacee (スペイシー)」誕生秘話

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500 Startupsの投資第1号として注目されるスペイシー

2015年9月、「会議室シェア」のサービスを行うスタートアップ「スペイシー」が、Impact HUB Tokyoの門戸を叩いた。「場所のシェア」が事業内容というから、すぐにImpact HUB Tokyoの中でも「面白い人たちがメンバーになったよ!」と話題になったのが懐かしい。

最初、2名から始まったチームも、現在はすでに13名を上回る規模。この半年間での成長はめまぐるしく、事業の軸も徐々に増やしつつある。それもそのはず、ついこの間、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであり、アクセレレーターとしても有名な、500 Startupsの日本での投資第1号案件として選ばれたばかり。現在最も注目を集めているスタートアップの一つだ。

500 Startups は、従来のベンチャーキャピタルとはことなり、たくさんの投資先に小規模な投資をするベンチャーキャピタルとして一躍有名に。数百万円から数千万円の規模での投資を行い、アーリーステージの投資先をカバーする。アクセレレーターとしての起業家育成プログラムも有名で、Impact HUB Tokyoのコミュニティ内でも、アクセレレーター参加経験者が何名も存在する。
今年5月に500 Startups Japanとして、日本での投資を本格的に開始。その第1号案件として日本でのシェアリングエコノミー産業を牽引するであろう「スペイシー」が選ばれた。

Impact HUB Tokyoでは、今までにも500 Startupsからの投資先スタートアップがメンバーとなっていたが、今回、日本のスタートアップで、自分たちのコミュニティから第1号投資先が決定されたことは嬉しいニュースだった。

そんなスペイシーに、Impact HUB Tokyoがインタビュー

今回は、この注目株であるスペイシーの背景やチームの特性などを聞いてみようということで、インタビューを企画。Impact HUB Tokyoのコミュニティ運営を担うホストの岩井が聞く(以下、岩井)。

中心メンバーである、内田圭祐さん(以下内田)、梅田琢也さん(以下梅田)、征矢貴彦さん(以下征矢)、竹本慶太郎さん(以下竹本)の4名にインタビューを行った。

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起業のきっかけは前職時代の実体験から

内田さんが本事業に着手し始めたのは2013年。だが、そのきっかけとなったのは、自分自身の不自由な体験からだった。

岩井 前職の経験が、現在の事業の立ち上げに繋がっているそうですが、具体的にはどんな状況があったんですか?

内田 当時経営していた会社の社員数が減ったにも関わらず、少人数の会社に不釣り合いな広いオフィスに入居していたので、大家さんに解約を申し出ました。ですが、解約は6ヶ月先までできないと・・・。 その時、自分のような境遇の人はたくさんいるのかもしれない、と思いました。この余ったスペースを貸し出すことで何かできるのではないか、と考えたのが、現在の事業の種になりました。

岩井 それが、今の会議室シェアサービスのきっかけになったんですね。

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会議を通してイノベーションを生み出す機会を増やしたい

内田 会議室という言葉は、社会人になってから使うようになった言葉ですよね。学生時代なんかは、大学のキャンパスでは会議室を予約しなくても、キャンパスの至るところで学生同士のディスカッションが行われていた。

社会人になってはじめて、会議の場所を探し始めるわけですが、社外で会議室を借りようとするとそこそこの料金がかかる。現在はWiFiが使えるカフェも増えましたが、やはり仕事の話など、場所を選ばなければならないところがあると思います。

そこで、余ったスペースを活用したいというニーズと、会議室探しに困っているニーズの両方を結びつけて、機能させることができれば、より多くのイノベーションの種が生まれる。そう信じて、やってきました。

岩井 2013年は、少なくとも日本においてはシェアリングエコノミーの黎明期という時期だったと思うので、ある種、時代の先取りとも言えますね。

内田 個人的には、既にあるサービスをやってもあまり意味がないと思っています。なので、なるべく誰もやったことがないようなものをやりたかったんです。

凸凹のある個性的なチームが、会社を強くする

スペイシーでは創業当初から今まで、人の入れ替わりやメンバーの増加があったが、常に保たれているのは多様性だという。

岩井 以前、竹本さんが、スペイシーのチームは凸凹なチームといっていましたが、凸凹というところ、もう少し具体的に聞いていいですか?

竹本 現在13人のメンバーがいます。(内田さんと征矢さんを指して)背の高い2人がいるから凸凹っていっていた節もあるけれど(笑)、メンバーそれぞれの興味・感性は違い、バックグラウンドもそれぞれ異なる。ここに集まってきているのもそれぞれ違う理由があってです。

岩井 凸凹さがあると、それはそれで苦労されることもあるかと思いますが、凸凹を保とうとする理由は何でしょう?

征矢 チームとして、強いところを伸ばしていくためにも、補完関係になるような人をチームに入れるというのが、チームとして強くなる近道だと思っています。

梅田 画一的なチームだと面白くなくなってしまいます。この考え自体は、500 Startups Japanから資金調達を受けたこととも、かなり繋がっていて、僕らとしては彼らから投資を受けることでまた面白い人材を引き寄せられるのではないかと期待しているところもありました。
スペイシーチームは、現在、開発、営業、広報、人事、デザインなど、それぞれのチームが徐々にできつつある状況にあるが、チームのあり方を語る彼らの言葉からは、凸凹なチームを持ちつつ、継続的で柔軟な成長を目指す、彼らの哲学が感じられた。

写真提供: 株式会社スペイシー

500 Startups Japanの投資確定のプロセスは意外にさくさく?

今回のインタビューでは、気になる500 Startups Japanチームとの出会いから、投資案件確定にこぎつけるまでのエピソードについても伺った。

岩井 500 Startups Japanから資金調達をするまではどんな感じだったんですか?日本で投資を受けるっていうのは、すごく珍しいと思うんですが。どんなプロセスだったんでしょう?

内田 500 Startups Japanチームと最初にあったのは、今年の3月頃でした。実は、長く期間がかかった、というよりは、予想していたよりもテンポよく進んでいきました。実際に出会ってから1週間後には、投資案件先としてのオファーをもらったんですよ。

岩井 スペイシーさんとしては、500 Startups Japanと交渉する際、何か気をつけたり、工夫していたことなどはありましたか?

内田 アメリカのVCだな、というところは多少意識していました。金額の交渉についても来週に答えをもらえるのであれば、◯◯の金額でもいいです、などといって、積極的に提示しました。

その結果、スペイシーチームは、正確な数字は非公開ではあるが、数千万円規模の資金調達をしているそうだ。

成長を続けるスペイシーチームの今後

スペイシーは手軽にかつスムーズに、会議室が探せて予約ができるサービスを提供している。

山手線沿線を中心とした都内と、横浜付近のエリアまで、会議室予約ができるようになっており、登録会議室数は2016年6月現在で、約600件。1時間500円から手軽に会議室の貸借りができる本サービスは、急速に拡大を続けている。

シェアリングエコノミーは、2014年から伸び続ける巨大市場であるが、会議室シェアにいち早く目をつけ、走り続けてきたスペイシーが考える将来的な社会の姿は、空間や車などの物を超えた、あらゆるリソースがシェアされる社会だという。

現在は、主に会議室やレンタルスペースのシェアサービスを行っているが、今後はさまざまな遊休スペースへと拡大していく予定とのことだ。

会議室シェアを通して、イノベーションを推し進める彼らの成長の過程は今後も楽しみだ。

スペイシーが指南する「Impact HUB Tokyoのうまい使い方」

2016年の9月1日より、人員規模が大きくなったスペイシーチームは、1年使っていたImpact HUB Tokyoの個室を離れ、2階のシェアオフィスへ移動する。この1年間、Impact HUB Tokyoを使い倒してくれた彼らから、新しくメンバーになる人たちへのコメントをいただいた。

梅田 Impact HUB Tokyoには、様々な方面から優秀な人が集っていると思います。スペイシーも、創業当初から、様々なメンバーの人たちとの出会いを通して、いろいろとお世話になりました。ここにいることの価値は、足りないものがあったとしても、様々な人たちとの出会いを通して、思いもよらない意見が出てきたりすることが面白いと思っています。

内田 実際にここで出会って、お手伝いをお願いしているメンバーの方々もいるよね。

竹本 僕らなんかは、チームとして人数が多いので、いろんな方にお声がけしやすいのもあったかもしれないが、HUBに入ったら、躊躇せず、是非多くのメンバーの方と出会い、話してみることをおすすめしたいです。

そういえば、梅田さんも内田さんも征矢さんも竹本さんも、Impact HUB Tokyoのラウンジで夜に皆でビール缶をあけて、プチ打ち上げをしているのをよく見かける。とても楽しそうに、Impact HUB Tokyoという場を楽しんでくれている。そんな姿をみると「あ、何かいいことが今日はあったんだな」と、こちらもホクホクしてしまう。

また、最近はImpact HUB Tokyoの他のメンバーたちで、スペイシーのチームと一緒に仕事し、彼らを支える側にまわっている人たちもいる。デザイナー、翻訳、チームビルディング、ブランド戦略・・・・。これから市場を作っていこうとするスペイシーにとって、こうした専門性のあるフリーランサーやコンサルタントが多様性をもってうろうろする場は、「鬼に金棒」というところだろうか。

約1年弱で、ここまで使いこなせるユーザーがいることは、Impact HUB Tokyo冥利につきる!

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